私たちは「前橋テルサ」の解体に反対します。
私たちは「前橋テルサ」の解体に反対します。
現在開会中の、第3回定例前橋市議会に、前橋テルサを解体設計するための補正予算が上程され、9月10日に採決が行われました。
私たちは、前橋テルサの解体には、まだまだ議論や市民意見の収集が十分ではなく、時期尚早であるとの判断で、反対をいたしました。
採決の結果は、賛成多数で可決となりましたが、私たちは引き続いて、前橋の文化を守るための議会活動を続けます。
前橋市議会かがやき
代 表 岡田 修一
浅井 雅彦
宮崎ゆきこ
以下は、反対理由を述べた「議会討論」です。
ぜひご一読ください。
私は会派かがやきを代表して、上程中の議案第97号「令和6年度前橋市一般会計補正予算」に反対の立場で討論いたします。
補正予算の内、土木費や教育費などの追加変更については、これを了といたしますが、前橋テルサ解体設計業務委託費等の予算は、前橋テルサの解体を前提としたものであります。
前橋テルサは、前三デパートの時より、中心市街地の集客・誘客、にぎわいの拠点、ランドマークであり、開館後は労働政策、文化・教養、健康、交流の施設として、市民に利活用されてきた、中心街の最重要施設の一つであります。
この議案は、市民の意見を聞く場を設けることもせず、市役所内部で短期間の検討を行っただけで一方的に解体の方針を決定したことは、あまりに性急であり、「市民不在」で「解体ありき」の姿勢と感じます。
この状況で結論を出すのは、議論が不足していると言わざるを得ず、多くの市民から、拙速であると断じられるでありましょう。
以下、問題点を指摘します。
第一に、前橋テルサは開館から30年余り経過していますが、建物本来の寿命でいえばまだ半分程度に過ぎない点です。市当局は改修費用について強調しますが、そもそも建物は建設から取り壊しまでの間に改修するのが普通であって、改修費用がかかるのは最初から分かっていたことであります。
民間のマンションなら修繕費用を積み立てますが、市の予算は単年度主義で起債もできることから、事前の積み立てではなく事後の償還で賄うにすぎません。突然、降って湧いたように多額の予算が必要になったわけではありません。建て替えのほうがもっと費用がかかるのであり、特別な事情がない限り、建物の寿命が尽きるまで有効活用するのがごく普通の対応であります。
本市では、都市施設として重要な清掃工場は改築・新設でなく、大規模改修で多額の延命資金を投入しています。テルサと清掃工場をみると、都市政策・経営として、理解しにくいものもあります。
さて、現にテルサのホール等が公的な機能を有し、市民のニーズがある以上は、「解体ありき」で議論するのではなく、まずはあらゆる手段を尽くして存続の道を探るべきであります。
第二に、市民に対して十分な情報提供がなされていない点です。本議会においても、20億円という改修費用を強調する一方で、解体費用については見込みすら示していません。解体費用は10億円を超える可能性もあり、少なくとも現時点での見込額を示すべきであります。
また、「どのフロアがどのような理由で赤字なのか」等の詳細なデータが公表されていないことから、現時点では、市民が「どうしても解体しなければならない理由」を理解できる状況にありません。オフィスなど多用途に分割してテナントに貸し出す等の選択肢も取り得ることは、多くの市民が容易に想像できることであり、それができないなら、できないなりの根拠となる数字をまず公表すべきであります。
第三に、今後、市内のホールが大幅に不足することが見込まれる中、テルサのホールが失われれば文化活動に大きな悪影響が出かねない点です。群馬県は県民会館(ベイシア文化ホール)の廃止を視野に、すでに来年度の予約を停止していますが、残念ながら、市がその存続に向けた積極的な働きかけを行っているようには見えません。
また、グリーンドームは可動席の故障のためイベント利用に支障が出ており、市民文化会館(昌賢学園まえばしホール)は近く大規模改修が予定されているなど、市内で特にコンサート等に利用できるホールが大幅に不足するのは確実です。その上、テルサのホールも廃止されれば、「文化の街」前橋の芸術文化活動は致命的ともいえる停滞に陥るおそれがあります。
体育館ではプロの演奏会を開くことはできず、本格的なホールを新設するなら、テルサ改修よりさらに多額の費用が必要となるのは確実です。いま求められるのは「解体ありき」で結論を急ぐことではなく、まずは市内に「どの規模のホールがどれくらい必要なのか」を調査・検討し、市内の文化施設、またコンベンション施設の全体像を描き出すことではないかと考えます。
第四に、市民の声を聞くプロセスが決定的に不足している点です。これまで、民間売却や商工会議所との協業などいくつかのプランが検討されてきましたが、それらはいずれも「存続」を目指すためのものであります。今回は「解体」であり、方針が180度変わったことになります。それほど大きな決断ならば、まず市民に丁寧に説明し、その声を聞くプロセスが不可欠だと考えます。
「説明会」と称して決まったことを申し渡すのではなく、まず市民の意見を聞くことから始めるべきです。とりわけ、今回はテルサ跡地を暫定的に広場として活用するとしているものの、恒常的な跡地利用については何も決めていない状況であり、解体だけを決めるのは順序が違います。残すにせよ解体するにせよ、「まちなか」をどうしていくのか、市民の声を聞かないまま結論を出せるはずがありません。
以上の点に鑑み、現時点でテルサ解体という結論を出すことは、あまりに性急であり時期尚早だと言わざるを得ません。
そもそもホールなどの文化施設や、体育館・グラウンドなどのスポーツ施設は、それ単体では採算性が期待できるものではなく、だからこそ全国すべての地域で民間ではなく行政主体で設置・運営されているものです。
市民サービスを切り捨てれば、コストが減るのは当然のことです。しかし、単にサービスを低下させてコストを削減したとしても、それは誇るべきこととはいえません。問題は、VFM(バリュウ・フォー・マニー)、コストとサービスが見合っているかであり、その判断には詳しい情報の提供と、市民を巻き込んだ議論が欠かせないと考えます。
本議会の総括質問での質疑応答においても、将来的なまちづくりの観点、積極的な活用策が語られずに、「街のにぎわいを止めるな」といいつつ、賑わいの元である集客・誘客施設を、広場への代替えへと、解体撤去しようというのであります。
思い返しましょう、中心街再生・活性化の動きが進んだ30年ほど前を。しかし、市長が変わった途端、計画中止・頓挫、今、話題の首長のパワハラ、地権者の犠牲。その後、ゴーストビルといわれた西友跡地が元気21に、岡源ビルが美術館・映画館・駐車場になりました。しかし、箱もの批判があり、中心街再開発は、賑わいをイベント広場に委ねられていましたが、やっと再開発の槌音が聞こえるようになりました。30年以上前の将来都市像、都市計画が進み始めています。
小川市長が前市長の市街地再開発・活性化事業を引き継ぐのであれば、温故知新、中長期的なまちづくりの思想とともに、文化芸術のまちづくり、を確りと胸に刻んで、中心市街地を、前橋のまちづくりを、市民とともに創るという気概をもって、 テルサ解体については、いったん立ち止まって市民の声を聞くとともに、議会とも誠実に向き合って対話を重ねていただくことを求めます。
以上をもって、議案第97号への反対討論といたします。
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